オートミールとは
オーツ麦(燕麦)を脱穀して調理しやすく加工した食品です。オートミールの原料である燕麦はオーツ麦、オート麦、カラス麦とも呼ばれます。 イギリス等の欧米諸国の朝食でよく食べられているものの一つで、日本では昭和の初めに製品化されました。短時間で調理できることや栄養バランスが非常に優れていることで、健康意識の高い人たちから注目を浴びています。
オートミールの種類
オートグローツ
オートグローツを元として食べやすく精製したものがオートミールになります。オーツ麦のもみ殻を取り除いたもので、ホールオーツと呼ぶ場合もあります。オートグローツは加工されていないためそのまま食べることができません。
ロールドオーツ
オーツ麦の粒がカットされず残っていて、プツプツした食感と噛み応えを楽しめます。ご飯に近い味でクセがないためチャーハンやパエリアなどお米で作る料理に適しています。
クイックオーツ
ロールドオーツを細かく砕いたタイプのオートミールです。形状が細かいため、水に溶けやすく、お湯や牛乳にひたしておくだけでも食べられる手軽さが特徴です。
インスタントオーツ
ロールドオーツを調理して乾燥させたもので、基本的には味付けされているのでそのまま食べられます。オートミールの中で調理時間が一番短く手軽です。牛乳をかけてシリアルのように食べたり、水を加えてアレンジして食べることもできる幅広さも特徴です。
スティールカットオーツ(挽き割りオーツ)
オーツ麦のもみ殻を取り除き、細かく割ったものです。胚芽や外皮がそのまま残っているため、ミネラルや食物繊維などの栄養価が非常に高いのが特徴です。無加工のタイプのため食べるには30分程加熱する必要があります。雑炊やリゾットに適しています。
オーツブラン
オーツ麦を挽く際に削り取られる外皮の粉のことを指します。オートミールの中で最も栄養価が高く、ミネラル、食物繊維を多く含みます。パンやクッキーお菓子に使用するのに向いています。
オートミールの健康パワー
オートミールは糖質が控えめで、健康維持に重要な栄養が、他の穀類に比べて多く含まれています。
【100gあたりのオートミールと穀類の比較】
オートミール | 白米 | 小麦粉 | |
たんぱく質 | 13.7g | 6.1g | 8.3g |
ビタミンB1 | 0.20mg | 0.08mg | 0.11mg |
鉄 | 3.9mg | 0.8mg | 0.5mg |
食物繊維 | 9.4g | 0.5g | 2.5g |
カルシウム | 47mg | 5mg | 20mg |
腸内環境を整える
オートミールは水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類をバランスよく含んでいます。
水溶性食物繊維→腸内で水分を吸収して便のかさを増やし、腸を刺激して排便を促します。
不溶性食物繊維→腸内で余分なコレステロールや老廃物を吸着し、体外に排出する働きがあります。
食物繊維は乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌の栄養分になり悪玉菌の増加を抑えて腸内を健全な状態に保ちます。
免疫力アップやダイエットをサポート
水溶性食物繊維・β-グルカゴンの働きにより免疫力アップやダイエットをサポートします。
・お腹の中でゲル状になるため、食べ物がゆっくり消化吸収され、血糖値の急激な上昇を抑えます。
・胃の滞在時間が長いため、満腹感が持続し、食欲を抑制します。
・体に脂肪を過剰にため込むのを防ぎます(短鎖脂肪酸)
・腸内でゲル状に変化し、ゆっくり腸内を移動するときにコレステロールを吸着し便と一緒に排出することにより、血中コレステロール値を低下させます。
・免疫細胞を活性化し、感染症などに対抗する免疫機能を高めます。
妊娠中におすすめ
妊婦さんは女性ホルモンにより、腸の運動が抑えられるため、便秘しやすくなります。オートミールは水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良くふくんでいるため便秘の改善に効果が期待されます。妊婦さんは1日に18gの食物繊維が必要とされていますが、オートミール1食で3.3g摂取できるので積極的に取り入れたいですね。
また妊娠中のカロリーコントロールや妊娠糖尿病の予防に効果が期待できます。
女性が不足しやすい鉄が豊富
ヘモグロビンの材料となって貧血予防をする鉄は3.9gで白米の約5倍も含みます。オートミールに含まれる鉄は非ヘム鉄(*)なので、吸収率を高めるビタミンCやたんぱく質と一緒に取るのがおすすめです。
(*)鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類あります。動物性食品に多く肉や魚に含むものをヘム鉄、植物性食品に多いひじき、ほうれん草などに含むものを非ヘム鉄になります。ヘム鉄のが吸収率がよくなっています。
女性は月経などで鉄を失うので食品から摂取していきたいものです。
1食あたりの目安は?
1食分30gが基本的です。オートミールは水分をよく吸収して膨らむので少量でも満腹感が得られ食べ応えがあります。(30g=約大さじ5)
離乳食にも使える?
オートミールを使った離乳食には以下のようなメリットがあります。
・電子レンジで時短調理
・ビタミン、ミネラルなどの離乳期に必要な栄養がとれる
・便通を整えてくれる
食べ方
離乳食にはクイックオーツが小さくて薄いためオススメです。6~8カ月頃から、やわらかく煮たものをすりつぶして食べさせるようにします。水やミルクなどの水分を加えて加熱するのが基本です。よりやわらかくしたいときは鍋で煮ると食べやすくできます。
注意点
オートミールは食物繊維が多いため、与えすぎて消化不良にならないように気を付けてください。便通改善に効果的ですが、1日3食オートミールだとお腹がゆるくなることがあります。様子を見ながら分量を調整してください。
オススメレシピ
オーバーナイトオーツ
材料(2人分)
- オートミール 60g
- 糀甘酒 300ml
- ヨーグルト 200g
Aバナナ 1本
Aイチゴ、ブルーベリー 適量
作り方
- オートミールと甘酒を耐熱容器に入れ600Wのレンジで1分半ほど加熱し冷まします。(冷蔵庫で8時間ほど置いてもOK)
- ①とヨーグルトを器によそいAを乗せます。
Aのフルーツはお好きなものを好きなだけのせてください。
鉄の吸収を良くするビタミンCと一緒に摂取できるオーバーナイトオーツは簡単に作れておすすめです。
まとめ
オートミールは栄養満点で健康維持やダイエットにもぴったりな健康食材です。
また妊娠中に不足しやすい栄養を補えたり、赤ちゃんの離乳食にもオートミールが強い味方になってくれます。
手軽に調理ができるので日々の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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