味噌とは
主原料の大豆を蒸すか煮るかして、麹と食塩を加えて、発酵、熟成させた半固体状の調味料です。
みそ=(大豆+麹+塩+水)×熟成
味噌の種類
原料による味噌の種類
味噌は大豆の塩にどのような麹を加えるかによって種類が異なります。「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」にの三種類に分けられます。また、これらをブレンドしたものは「調合味噌」と呼ばれます。
- 米味噌→米に麹菌をつけた米麹を使用した熟成期間が短い味噌(1カ月~1年)。全国的によく食べられている味噌で全体の8割が米味噌です。
- 麦味噌→麦に麹をつけた麦麹を使用し、九州麦味噌が代表的です。田舎みそとも呼ばれ、熟成期間が短いのが特徴です。
- 豆味噌→大豆に麹菌をつけた豆麹を使用し、主に東海地区(愛知・岐阜・三重)で生産されている味噌で、八丁味噌・赤だしとも呼ばれています。
- 調合味噌→豆味噌・米味噌・麦味噌を2種類以上混合した味噌で、「合わせ味噌」とも呼ばれます。
色による味噌の種類
味噌の色の違いは、発酵・熟成の過程で起きる「メイラード反応」により生じます。メイラード反応とは、原料である大豆や麹等に含まれるアミノ酸が糖と反応して褐色になることをいいます。
- 赤味噌→熟成期間が長いため、メイラード反応が十分に起こり、赤く濃い色をした味噌のことです。また、塩濃度が10~20%と高く、貯蔵性に優れています。
- 白味噌→熟成期間が短く、メイラード反応を抑えた、見た目が白い味噌のことです。塩濃度が5~6%と赤味噌より低く、甘みが強いのが特徴です。
味による味噌の種類
甘口・甘口味噌・辛口味噌に分けられます。辛さは食塩の量と麹歩合(*)で決まります。塩分が一定なら麹歩合が高いほど、甘口になります。
*麹歩合→「大豆に対して何割の麹を加えたか」ということ。
- 甘味噌→塩分が5~7%麹歩合が15~28割と麹を使用しています。米麹と大豆からの香りが一体となったとろみ感のある甘さが特徴です。関東地方に多く食べられている白味噌、江戸甘味噌、西京味噌、讃岐味噌、府中味噌などが有名です。
- 甘口味噌→塩分が7~12%、麹歩合が12~17割となっています。米麹の淡色・赤味噌や麦味麹で作られている味噌になります。流通している多くの味噌が甘口味噌に分類されます。甘さが強く芳醇な香りが特徴です。
- 辛口味噌→塩分は11~13%、麹歩合は5~10割と麹の使用量が大豆よりやや少なめです。米麹の淡色味噌・赤味噌や麦麹で作られる味噌になります。塩味が強く、すっきりした味わいが特徴です。代表的なのは信州味噌、仙台味噌、越中味噌、加賀味噌などがあります。
味噌の栄養
- たんぱく質→筋肉や内臓、血液、免疫細胞を構成する重要な栄養素です。味噌には100gあたり12.5gのたんぱく質が含まれています。
- 食物繊維→腸の調子を良好に保ち、便通をスムーズにしてくれます。味噌には100gあたり4.9gの食物繊維が含まれます。
- イソフラボン→大豆に含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に役立つといわれています。また、女性ホルモンの一つのエストロゲンに似た働きを持っています。肌のキメが細かくなったり、女性らしい体を作るホルモンとして知られています。
- ビタミンB2→皮膚や粘膜を正常に機能させ、発育を促す重要な栄養素です。皮膚や髪、爪などの細胞を再生させる働きがあります。味噌には100gあたり0.10mgのビタミンB2が含まれています。
- 大豆サポニン→強い抗酸化作用をもち、ガンや老化の原因となる過酸化脂質、代謝を促進し、肥満を予防する効果、免疫力を向上させる効果が期待されています。
- レシチン→大豆に含まれる脂質の一種です。コレステロールの吸収を抑制し、免疫力低下・動脈硬化を予防する効果があります。
- カルシウム→味噌は調味料の中ではカルシウムの含有量が比較的多く、ホルモンの分泌、筋肉お収縮と神経伝達に関与しています。
味噌の健康効果
- 美容効果
味噌に含まれるメラノイジンやペプチドは特に抗酸化力が強く、老化予防や美肌効果が期待できます。味噌に含まれる遊離リノール酸には、メラニンが合成されるのを抑える働きがあります。米麹の割合が高い味噌汁を飲むことで、シミの原因となるメラニン量を減少することも分かっております。
- コレステロールの抑制効果
味噌の大豆に含まれるサポニンには、血清コレステロールが上昇するのを抑える効果があり、レシチンや食物繊維にはコレステロールを除く働きがあります。
- ダイエットに役立つ
味噌の原料となる大豆には、筋肉をつくるアミノ酸の「ロイシン」「イソロイシン」が含まれています。これらには筋肉の生成を促す効果と筋肉分解を抑制する効果があります。筋肉がつくと基礎代謝も上がり、エネルギー消費量も多くなるためダイエットを助けます。
- 睡眠の改善
味噌に含む「トリプトファン」には睡眠を促す物質を含み、「メラトニン」という睡眠を促すホルモンを分泌させます。トリプトファンは体内で作ることができないため食べ物から摂取するしかありません。豊富に含む味噌を積極的に取り入れてみましょう。また、味噌に含まれるイソフラボンが女性ホルモンの不足を補い冷えを予防し、睡眠の改善に役立ちます。
- 肝機能改善
味噌の大豆に含むレシチンには乳化作用があり、血管や細胞に詰まっているコレステロールや脂質を排出させます。肝臓に蓄積された脂肪を分解するため、脂肪肝や二日酔い、肝機能の改善効果が期待できます。
味噌汁の効果的な食べ方・タイミング
- 温度
味噌の乳酸菌は50℃以上で破壊されてしまうので、味噌汁で味噌を溶く際は、沸騰させずに一度温度を下げてからにしましょう。
- 朝
朝に味噌汁を取り入れることでその日の体温の上昇につながり、日中のエネルギー消費が増加しダイエット効果も期待できます。また、良質な睡眠をサポートするメラトニンは夜にしっかり分泌させることが重要です。メラトニンは起床してから15時間前後で分泌されるため、朝に取ることが睡眠の改善に役立ちます。
- 夜
寝る前にたんぱく質をとることで、寝ている間に筋肉の合成を促す働きが期待できます。また、体が温まることで睡眠を促す効果やお腹を満たすことができるため食べすぎの予防にもつながります。
味噌おすすめレシピ
- 大葉の味噌焼きおにぎり
調理時間約10分
材料(2人分)
ごはん 350g
大葉 5枚 (みじん切り)
大葉 4枚
A味噌 大さじ1
A砂糖 みりん 生姜チューブ いりごま 各小さじ1
オリーブ油 適量
作り方
①Aを合わせます。
②①に大葉のみじん切りとごはんをいれてよく混ぜます。
③おにぎりを4つ作り、片面に①を塗り、大葉を貼ります。
④魚焼きグリルにアルミホイルを敷いて油をひき、大葉貼った面を下にして中火で3分焼きます。裏返してAを塗り同じく中火で3分焼きます。
- アボカド味噌漬け
調理時間約5分(漬け込み時間除く)
材料(2人分)
アボカド 1個
A味噌 大さじ2
Aみりん 大さじ1
Aしょうゆ 小さじ1/2
Aにんにくチューブ 小さじ1/2(お好みで)
作り方
①アボカドは種を取って果肉を取りだし、5mm幅に切ります。
②Aを合わせて、アボカドに塗ったらラップで包みます。
③冷蔵庫で3時間から半日漬け、味噌を軽く拭い器に盛ります。
- 味噌ポテトグラタン
調理時間約30分
材料(2人分)
じゃがいも 2個
アボカド1/2個
鶏もも肉 150g
豆乳 大さじ4
味噌 小さじ2
塩こしょう 少々
ピザ用チーズ 大さじ6(お好きな量)
パセリ 適量
作り方
下準備トースターは予熱しておきます。
①じゃがいもは皮を剥き、5mm幅の厚さに切ります。アボカドも5mm幅の厚さに切ります。
②じゃがいもを耐熱ボウルにいれたら、ふんわりラップをして600Wのレンジで4分加熱します。
③鶏もも肉を一口大に切り、塩こしょうをします。皮目を下にして火が通るまで中火で焼きます。
④豆乳で味噌を溶いたら②と③とアボカドを混ぜ合わせて耐熱皿に入れます。
⑤ピザ用チーズをかけたら、トースターで焼き目がつくまで10分焼きます。
まとめ
「みそは医者いらず」という言い伝えもあり、日本人の健康を守り続けてきた味噌。
味噌には病気を予防したり、毎日の健康に役立つ栄養がたくさん含まれていましたね。
味噌を上手に活用して、健康的な食生活をお過ごしください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<参考文献>
大源味噌 https://daigen-miso.co.jp/blog/260/
マカロニ https://macaro-ni.jp/90903#heading-1288033
KENCOCO https://kencoco.com/media/articles/before-sleep_44
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